EPOMAKER 「TIDE65」のレビューです。
TIDEシリーズとして、65%配列モデルと75%配列モデルがあり、今回は65%配列モデルのレビューとなります。
このTIDE65ですが、ユーザーからの意見を集約し、それに応える形で登場したモデルのようです。位置付けとしては最上位モデルで、EPOMAKERのプレミアムモデルといったところでしょうか。
以前、アルミ筺体のGalaxy80のレビューをしましたが、こちらはFEKERとのコラボモデルでしたので、今回のTIDE75/65が、EPOMAKER初のアルミ筺体キーボードとなっています。(私が知っている限りですが)
案件ではありますが、忖度なしにレビューをしたいと思います。
Amazonで取り扱いされていますね。
公式サイトまたはAliExpressでも購入可能です。
公式サイト
AliExpress公式ショップ
https://s.click.aliexpress.com/e/_DBHpIIL
それでは、サクッとレビューしていきたいと思います。
スペック
アルミ筐体でガスケットマウント搭載。VIA対応など、全部入り感満載。
(公式サイトより引用)
開封と中身
箱
同梱物
USBケーブル、六角、プラー、取扱説明書
本体
ブラックモデルです。照明の反射で白っぽくなっていますが、真っ黒です。
上部左側には、USB接続部と接続切り替えスイッチ。
上部右側にUSBドングルがあります。(※技適未対応)
小さめのノブが付いています。ヌルヌルではなく、小気味よく、静かにスムーズに回せます。
背面はミラー仕様になっています。我が家の天井の木目が反射していますね。
スイッチ・軸
軸はEPOMAMKER Lemon Switchというリニア軸で、TIDEシリーズに初搭載された新作軸。
キーキャップ
サイド透過印字のキーキャップです。
薄くて軽めです。OEMプロファイルです。
プレートがFR4なのがいいですね。
ソフトウェア
VIAに対応しているので、かなり柔軟なカスタマイズが可能です。
JSONファイルはこちらからダウンロードできます。
ちゃんと分割スペースバーのレイヤーも用意されています。
が!しかし、プレートは用意されていません!
EPOMAKERの担当の方に、分割スペースバーに対応したプレートがあるか質問しましたが、「現在のところ無い」との回答を頂いています。要望として上層部に伝えて頂けるそうです。
使用感レビュー
筐体について
良いと思います。エッジの金ラインが高級感を感じさせますね。筐体自体のクオリティが高く、フレームの歪み等もなく高品質だと思います。
キーキャップのデザインはサイドプリントで、RGBが点灯していなければ無刻印に見えるデザインが大人な雰囲気を出してくれていると思います。悪い言えば無難なデザインかもしれません。
打鍵感・打鍵音
正直、あまり良くないです。
カチャカチャというかワシャワシャしている印象を受けました。打鍵音の傾向としてはクラッキーですが、少しノイズが多いような気がします。
その原因は軸とキーキャップにありますね。
Lemon Switchという新作の軸が採用されているのですが、届いたそのままの状態で使用すると、ルブの量が足りていないのか、滑らかな打鍵感ではなく、若干の引っ掛かるよいうな感覚がありました。
押下圧は軽めなので、軽快に打鍵できますし、それなりに良い打鍵感と言えるかもしれませんが、単純に私の好みではなかったです。22mmのスプリングのクッション感は悪くはないのですが、スムーズさに欠けるので、反発力が悪い方向に働いているように感じます。
これは、しっかりとルブしてやることで改善しました。
それから、打鍵音に関してはキーキャップの影響もありますね。
このキーキャップ、どこかで見たことがあると思ったら、AULA F75をレビューした際に付け替えたキーキャップとかなり似ていることに気が付きました。
【キーボードレビュー】噂通りAULA F75は打鍵感・打鍵音が優れた快適キーボードだった。 - IRIELIFE!-Blog
画像をご覧ください。
フォントも、質感もそっくりですので、おそらく色違いのモデルだと思います。
AULA F75では、KTT Kang V3という軸を使用して、なかなか良い打鍵音になったので、今回のTIDE65ではLemon Switchとの相性が悪いのでしょう。
Lemon Switchはスプリングが22mmありますが、KTT Kang V3のスプリングは15.5mmでしたので、この軽いキーキャップには、スプリングが短い方が良いと思われます。
滑らかさや軸ブレの少なさで定評のあるEverglide AquaKing(62g)変えてみました。スプリングは15mmです。
▼打鍵音を収録しています▼
Lemon Switchも、しっかりとルブしてやれば悪くない軸なので、この軸を使う場合はキーキャップを変えた方が良いですね。キーキャップを交換したバージョンの打鍵音です。
▼打鍵音を収録しています▼
気になるポイント
① スペースバーの軸が北向き
Lucky65も同様でしたが、分割スペースバー対応のプレートに変更すると全て南向きになりましたから、このTIDE65も同じですね。PCBにはちゃんと穴がありましたから。
しかし、オプションに交換プレートがないので、改善することができません。ただただ悲しい。
② 分割スペースバーに未対応
VIAではレイヤーがあるのに、プレートが用意されていません。勿体ないとしか言えないです。Lucky65で分割スペースバーの素晴らしさを体感したので、是非ともオプションを増やして欲しいところです。
③ 技適問題
技適取得されていないので、無線利用ができません。
EPOMAKEの担当の方に対応状況を確認したところ、総務省のHPを確認して申請書類を準備しているとの回答を頂いているので、気長に待ってみようと思います。
総評
良かったポイント
・筐体が高品質
・高級感を感じさせる金エッジデザイン
・VIA対応
・デフォルトでのFR4プレート採用
悪かったポイント
・Lemon Switchはちゃんとルブしたほうが良い。他の軸に変えてしまったほうが手っ取り早い。
・キーキャップと軸の相性が悪い。
・分割スペースバーに対応していない。
(VIAには対応しているが、プレートが用意されていない)
・現在、技適に未対応。今後期待できる?かも。
最近Weikav Lucky65をレビューして、めちゃくちゃお気に入りのキーボードになっているのですが、それと比較すると痒いところに手が届かない印象を受けます。
Lucky65はセール時に本体を7000円弱で購入し、軸とキーキャップ、プレートを合わせて約15000円。VIAに対応していないことが唯一のマイナス点ですが、かなりコストパフォーマンスに優れていると思います。
一方このTIDE65はプリビルドされた状態で約20000円、キーキャップが悪く、分割スペースバーのプレートが用意されていません。コストパフォーマンスが悪いと思います。
これがベアボーンキットとして13000~15000円で販売されていたのであれば、もう少し良い評価ができたと思いますね。
発想を転換させて「高品質なベアボーンキットに、おまけで軸とキーキャップが付属してくる」と考えるのであれば、十分に満足感を得られると思います。あら不思議。
まとめ
ということで、今回はEPOMAKERの最上位モデルのTIDE65のレビューでしたが、少し辛口レビューになってしまいました。筐体がとても良い品質だけに、軸とキーキャップの相性良くないことが残念でした。
おすすめかというと、先ほども述べたように、筐体の高品質さを魅力に感じた方にはおすすめできると思います。
今後ベアボーンキットが展開されて、価格がもう少し下がれば、誰にでもオススメできるようになると思いますね。